闇の河 (オーストラリア現代文学傑作選) を読んだ感想①
第一章 ロンドン
初期のオーストラリア開拓時に、
ロンドンからシドニーへと渡った主人公の物語です。
もちろんオーストラリアが舞台の物語なのですが、
主人公がどういう経緯でシドニーに渡ってくるようになったのか、
第一章でよく描かれています。
Photo Source: www.southwarkbridge.co.uk
犯罪を犯した人の流刑地としてシドニーに人が送られるようになったことは
有名な話ですが、
では具体的にどのような人がどういう経緯でシドニーに送られたのか、
主人公ソーンヒルを一つのケース、象徴として、詳しく書かれています。
きっとオージーからすると、
自分たちの先祖のルーツを知る意義のある章なんだろうなぁと思いました。
ひどい貧しさの中で、仕事を転々としながら、
なんとか明日への生計を立てていく主人公を通して、
今の時代がどれだけ恵まれた時代なのか、
捨て身になって生きるしかなかった主人公の強さに刺激を受けました。
闇の河 THE SECRET RIVER (オーストラリア現代文学傑作選第4巻)
- 作者: ケイト・グレンヴィル,一谷智子
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2016/01/21
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る